憂鬱な丘
美瑛を去るとき最後に走る丘のルートを決めている
かしわ園から北瑛小学校の裏をとおってセブンスターの木へ
そして237号へ抜けるルートが最後の丘めぐりになる
いつも最後の夕日を見とどけてから…
やがて車のライトがあたっているところしか見えなくなる頃
じりじりとした焦燥感が襲ってくる
いつもやってくるこの瞬間から、旅の間ずっと聞き続けていたCDを止めて
ラジオを聴くことにしている
”そういえばあの仕事の問い合わせに回答していなかったよなぁ”とか
”まだあの部品を手配していなかったよなぁ”とか
この1週間忘れていたことを思い出す
円高が進んでいることをラジオが伝えている
小樽まで4時間、翌日のフェリーに乗って新潟へ
翌々日の夕方自宅について、翌々々日会社に出社するまで
いちばん憂鬱なときの始まり